セレモニーピアニストの日々

片山健太郎

ウイスキー 食と嗜好品

テイスティングレビューに物申す!「ウイスキー一気飲みスペイサイド編」 ※実際に一気飲みはしておりません

投稿日:2021年11月23日

今回もインスタ投稿の紹介になります。

以前投稿したハイランド編バーボン編に続き、今回はスペイサイド編になります。

スコッチウイスキーは、蒸留所の場所によって、5つに分類される事が多いですが(スペイサイド、ハイランド、ローランド、アイランズ、アイラ)、今回はスペイサイド地方の蒸留所のウイスキー7銘柄を試してみます。

スペイサイド(スコットランドのスペイ川流域に位置する蒸留所の総称です)と言えば、かつての酒を全く知らない私でさえ知っていたマッカラン蒸留所をはじめ、グレンフィディック、グレンリベットなど、スコッチウイスキーの定番中の定番蒸留所がひしめく、「スコッチ銀座」の体を成しております。今取り上げた銘柄と「グレンファークラス」の合わせて4銘柄は、既に試したことがありますので、今回はそれ以外の中から良さげと思ったもの7銘柄を取り寄せて、飲んでみました。

今回もひとくちウイスキーさんからのお取り寄せです。

1.グレングラント10年


普通に旨い。そして安い。この10年物は3,000円台、ノンヴィンテージ(ノンエイジ)銘柄である「アルボラリス」なんて、シングルモルトウイスキーなのに2,000円台で買える。コスパ最強。グレンフィディックあたりと比べると、ほんの少しボディが厚めなので、モルトウイスキーらしさを味わうならこちらか。
      

2.オスロスク10年(UD花と動物シリーズ)


蒸留所自体のオフィシャルというより、蒸留所の親会社が出しているボトルという位置づけ。なんとなくボトラーズのウイスキーっぽい雰囲気もある。味わいがよくつかめなかった。バカ舌の自分を恨むよ。こういうモノこそフルボトルを買ってみるべき・・・か?バカ高くはないけど、気軽に買うにはちょっと抵抗のあるお値段ですね。

3.カーデュ12年


スコッチウイスキーの王道と言える味わい。反面「カーデュらしさって何?」と聞かれると躊躇してしまう。だからこそジョニーウォーカーは、この銘柄をベースにしていると思うと納得がいく。ボトルの形が「映え」かもしんない。

4.バルヴェニー12年(ダブルウッド)


グレンフィディックの姉妹蒸留所にあたる。やはりというかフィディックに比べると、味わいはどっしりしているけど、フィディックから感じる清涼さは、バルヴェニーにも通ずるものがある。ぐびぐびやるならフィディック、ちびちび飲むならバルヴェニー、そんな感じか?

5.アベラワー12年(ダブル・カスク・マチュアード)


ねっとりした甘さとケーキのようなふっくらした香りの中に、ちょっと重金属を思わせるフレーバーが重なる。カーデュとはまた別の意味合いでスコッチウイスキーらしさを感じる銘柄だった。Amazonを覗くと、12年物はそこそこの値段がするのに(5,000円台)、18年物がやけに安い(8,000円台)。一番高いのがカスクストレングスの「アブーナ」(9,000円台)。高っけえのを買いたい!となったら、自分も18年じゃなくてアブーナを買うかもしれない。だから18年物が安いのかな?
    

6.ロウカスク・グレンロセス2002、13年(ブラックアダー)


今回試した中で一番衝撃を受けた1本。ちょっと他のボトルの印象が霞んでしまった。一言で表すと、「む、麦!」。これすんげえ欲しいけど、オフィシャルボトルじゃなくて、ボトラーズもので、どうやら販売終了してるっぽいんだよね。オフィシャルボトルか、似たようなボトラーズを探す手もあるけど、全然違う味わいになる可能性が高い。うーん悩みどころ。

(アソシエイト・リンクは敢えて貼りません)

7.ミルトンダフ15年(バランタインシングルモルト)


有名なブレンデッドウイスキー「バランタイン」の構成原酒をシングルモルトウイスキーとして販売したものの中の一つ。インスタではすんげえ良い事書きましたけど、個人的には熟成年数とお値段によって高く吊り上げられた期待値にはちょっと届かなかった。こう言う銘柄は、ボトラーズものから「コレッ!」てやつをチョイスして楽しむのが定石なんだろうな。

今回試した7銘柄。自分の中の順位付けは意外と簡単でした。1位ロウカスク・グレンロセス。2位オスロスク。同率3位アベラワーとバルヴェニー。まあ大体(値段の)高いモン順になりますね。これも以前話した事と同じです。

これでスペイサイトは合計11銘柄体験したことになります。無知を恐れず申し上げれば、「ハイランドのウイスキーほど蒸留所ごとの個性は無い」と言う感想を持ちます。端的に言ってしまえば「甘くフルーティーな香り、甘さの中にスパイシーさを感じる味わい、余韻に苦み、清涼感と樽感」、これで大体どの銘柄も言い表せられてしまう印象でしたし、これは以前に味わったマッカラン、グレンフィディック、グレンリベット、グレンファークラスにも通じる味わいの感想でした。(いろんな所から怒られそうだ・汗)

古くからのウイスキーファンは、最近リリースされるウイスキーに対して、その個性の乏しさを嘆いておられるようですが、ウイスキー歴1年半の私でさえ、何となくその気持ちが分かってきました。

確かによーく味わえば、違いはちゃんとあるんだけど、テイスティングコメントを見ながらウイスキーを飲んでみて常々、「なんで、私からわざわざ微細な味わいを探しにあーだこーだ研究員みたいに飲まなきゃならんのだっ!」と言う疑問を持ち続けていました。

だから今回、ロウカスク・グレンロセスを体験できて本当に良かった。本当に良い酒と言うのは、わざわざ自分から微細な味わいを見つけに行かなくとも、ウイスキーの方で雄弁に語ってくれる、と。だから探す必要なんか無いし、ウイスキーから発せられる「言葉」に耳を傾けさえすれば良いんだと。それが分かっただけでも、今回の試飲は自分にとって意義のあるものだったと思っております。

さて、これを踏まえて、私もまた高っけえウイスキー、買ってきます!

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