セレモニーピアニストの日々

片山健太郎

雑記

愛知県の交通事故死者数、実はそんなに多くない

投稿日:

過日、自動車運転免許更新のため、名古屋市は天白区の平針にある運転免許試験場に行きました。残念ながら私は優良運転者ではないので、講習も受けてきたのですが、その中でどうしても気になったことを、独り言のようにブログに書き綴ってみます。

講習の中で、教官は愛知県が交通事故死者数全国でワースト1であることを訴えていました。それを踏まえ、いかに愛知が交通安全に対する県民の意識が低いか、と言うことを説いておりました。

確かに、県別の交通事故死者数で、愛知県は常にワースト1を他県と競っています。ここ数年は2位以下にぶっちぎりの大差をつけてのワースト1、昨年(2018年/平成30年)こそ、千葉県の猛追を受けたものの、僅差でワースト1を獲得と言う不名誉な記録を打ち立てております。当然、愛知県警もメディアもその事を徹底的に周知させ、交通取締りの正当性を訴えている訳です。

もちろん、交通事故死など、たとえ一人でもあってはなりません。統計上一人や二人であったとしても、被害に遭われた親族や友人知人にとっては、かけがえのない命を失い、心に深く傷を負い、悲しみの深い淵に陥れます。交通事故死を一人でも減らすための行為は、とても大切です。それを踏まえたうえで、私は県別の統計というものの不公平性に、以前より常々疑問に思っておりました。

まずは、そのデータから。2018年/平成30年の県別交通事故死者のワースト5は、順番に・・・
1.愛知   (189)
2.千葉   (186)
3.埼玉   (175)
4.神奈川  (162)
5.兵庫   (152)

次に、県別交通事故死者の少ない県ベスト5を挙げてゆきます。
1.鳥取/島根(20・同率1位)
3.石川   (28)
4.佐賀   (30)
5.徳島   (31)

()内は人数。データは警察庁交通局交通企画課発表の資料より

いかがでしょうか?ワーストに上がっているのは、人口の多い三大都市圏に集中しています。ちなみに東京都はワースト7位、大阪府は6位で、人口の割には死者数が少ないとも言えますが、東京都も大阪府も公共交通機関が充実していて、日常生活における自動車の依存度が低いことも影響していると思います。逆に死者数が少ない県は、一様に人口そのものが少ない県ばかりで、非常に公平性を欠いていると思います。

実はこの警察庁発表の資料には、「人口10万人あたりの死者数」と言うデータも載せてあります。人口比での換算値ですので、こちらの方がより公平性があると言えます。
こちらのワーストとベストを見てみましょうか?

人口10万人あたりの交通事故死者数(2018年/平成30年)
ワースト5
1.福井  (5.26)
2.富山  (5.11)
3.三重  (4.83)
4.岩手  (4.70)
5.山形  (4.63)

ベスト5
1.東京  (1.04)
2.大阪  (1.67)
3.神奈川 (1.77)
4.京都  (2.00)
5.埼玉  (2.39)

()内は人数。警察庁交通局交通企画課発表の資料より

単純な県別死者数とは全く実情の違ったデータが浮かび上がりました。我が愛知県はと言うと、2.51人で全国ベスト8位、全国平均は2.79人ですから、交通事故死者の割合は少ない方だと言う事が分かります。警察庁の資料に堂々と掲載されているのに、どう言うわけか、こちらのデータを愛知県警は一切教えてくれません。

ただ、上記のデータは人口の多少だけが加味され、自動車の依存度までは含まれません。もう少し実態に即した統計を目指すべく、県別の自動車保有台数の統計を基にした、事故死者の割合を試算してみます。

まずは、県別自動車(含む二輪車、貨物車、特殊車)保有台数の比較から。
多い順
1.愛知  (5,289)
2.東京  (4,431)
3.埼玉  (4,141)
4.神奈川 (4,029)
5.北海道 (3,797)

少ない順
1.鳥取  (470)
2.島根  (558)
3.高知  (568)
4.徳島  (626)
5.福井  (671)

()内は台数。単位千台。自動車検査登録情報協会資料、平成30年11月現在。

何と愛知県が東京都を抜いて全国1位の保有台数です。最下位の鳥取県とは10倍以上の差があります。

この統計を使って、死者1名あたりの自動車台数。つまり何台に1台が交通事故死を生み出しているかと言うデータを算出してみましょう。

ワースト5
1.福井  (16,371)
2.富山  (16,795)
3.愛媛  (17,430)
4.三重  (17,558)
5.岩手  (17,619)

ベスト5
1.石川  (32,766)
2.東京  (30,983)
3.宮城  (30,589)
4.沖縄  (30,491)
5.長野  (29,082)

()内は台数。片山試算。

愛知県は群馬、宮崎に続き、全国ベスト8位(27,986)でした。全国平均は23,267台ですので、ここでも全国平均を上回っています。

さらに実態に即したデータはないものでしょうか?国土交通省が自動車輸送統計と言うのを定期的に行なっており、この中に、県別の貨物自動車の輸送量や旅客流動数の統計資料などがあります。こちらも活用できれば良いのですが、貨物と旅客で単位と統計方法に違いがあるので一緒こたにする訳にもいかず、客観的なデータを算出するのは難しそうです。この資料によると、愛知は貨物の輸送量は北海道に次いで2位、旅客流動はぶっち切りの全国1位です。特に旅客流動数において、東京都の1.3倍、最下位の鳥取とは実に14倍もの差が開いています。旅客や貨物の移動とは、県民の県内移動だけに留まらず、他県からの流入流出、通過なども含まれます。例えば東京都は流動数が多い印象がありますが、大半が出発か到着であり、通過や中継の役割は小さいのです。県内に多くの人口を抱え、日本の大動脈として県外からの流動も膨大な愛知県、そう考えると、交通事故死者数はむしろ驚異的に少ない、私はそんな風に思えます。

よく「名古屋走り」などと揶揄され、恣意的なデータの抽出により、愛知県は交通地獄のような印象を他県に与えていますが、私はそんな事はないと思っています。確かに東京都心のような上品さには欠けているかもしれませんが、車線の取り方、速い車と遅い車の棲み分けなどは、なかなかに合理的、効率的だと思っています。もちろん、安全運転に配慮し、交通事故を防ぐ事は必要ですが、警察やメディアは、悪い印象づけなどをせずに、客観的かつ公平性のあるデータに基づいた事故防止を訴えてゆくのが筋ではないでしょうか。

「愛知は、実は交通事故死者の割合は全国でベスト8に入るんだぜ!でもみんなで少しでも事故を減らせるように努力しような!」みたいに・・・。

以上、独り言でした。

そうそう、余談ですが、現在(平成31年2月)、試験場の駐車場が閉鎖されています。勢い地下鉄やバスを使って行くと言う事になります。私は最寄駅は鶴舞線の平針駅とばかり思っていたのですが、よくよく調べると、桜通線の徳重駅からも行ける事が分かり、行きはバスを使いましたが、帰りは天気が良かったこともあり、試験場から徳重駅まで歩いてみました。途中おしゃれなカフェもあるし、徳重駅に直結するショッピングモールもあり、オススメです。名古屋駅から乗り換えなしで行けるのも良いですね。

-雑記
-,

Copyright© 片山健太郎 , 2019 All Rights Reserved Powered by STINGER.