セレモニーピアニストの日々

片山健太郎

セレモニーピアニストのこと

そもそも献奏とは?

投稿日:2018年7月29日

私は12年前に個人事務所を立ち上げた時、屋号を「片山音楽世界(かたやまおんがくせかい)」と名乗っておりました。

名乗っておいて何なのですが、自分自身この屋号に最後まで馴染めず、例えば、電話を取った時も、「片山音楽世界、片山です。」という風に名乗ったことは一度もありません。じゃあ名乗るなよ!と言われればそれまでですが、要するに、インパクトのある名前を考えたら、却って自分へのダメージが大きかった、と言う事です。

4年前、名古屋市に拠点を移す際、屋号も変えようと思い立ち、他の方の勧めもあって「献奏社(けんそうしゃ)」と呼称変更を致しました。

こちらの屋号は、ちゃんと自分でも臆せず名乗ることができます。ええ、電話でもちゃんと名乗りますとも。経費で領収証を切る時も、お店の人に、ちゃんと「献奏社で!」って言えますよ(笑)。尤も、「献奏」と言う言葉を分かってもらえないので、漢字の説明が厄介ですが。

そもそも、「献奏」と言う言葉に、市民権がないので、お店の人が困惑するのも無理はありません。

「献」と言う言葉は、目上の人物や神仏に品物を供える意味で用います。仏教葬において、故人様は仏になられた存在ですから、「献花」と言えば、故人様に花をお供えすることであり、その他、「献灯」や「献杯」と言う言葉もあります。

従いまして、「献奏」と言えば、神仏に奏楽(演奏)をお供えすると言う意味合いになります。神事の際に、神前で雅楽などを奏する際に使われた言葉でもありますが、一般的に市民権を得た言葉ではない事も確かです。

ご葬儀においては、故人様に音楽をお供えする、と言う意味で、「献奏」と言う言葉が使われ始めましたが、その歴史はまだまだ浅いですね。

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