セレモニーピアニストの日々

片山健太郎

ウイスキー 食と嗜好品

シングルモルトスコッチにハマってみる

投稿日:2020年7月15日

久しぶりに食に対する雑記を書こうと思います。

私は大の甘党で、大人になってからも、酒と言うのは不味いものとばかり思っていました。

要するに舌がお子ちゃまなんですな。

そんな私ですが、齢四十を越えてようやく、旨い酒がある事を徐々に覚えていきました。

ビール、ワイン、焼酎、日本酒・・・。ちゃんと旨い酒はウマイのだと言う事を経験によって身につけていきましたが、酒を日々のお供にするまでには至りませんでした。

それが迂闊にも、自分の舌に対して、友達登録をふっかけてきた酒を断れなくなってしまったのです。

それが、コイツです。

シングルモルト・スコッチウイスキー。

一通り酒を嗜んでいながら、ウイスキーはこれまで全くの圏外におりました。ウイスキーと言うと、仕事のお付き合いで行くような、私の好みではないオンナのコが入れ替わり隣に来るような場所で、次々に注がれる水割りのイメージしかなく、大抵薄めてガバガバ飲んだあげく、トイレに駆け込みリセットさせて出てくると言った、ロクな経験しか持ち合わせていないので、私のウイスキーに対するイメージは、もうそれはそれはネガティブなものでした。

ウイスキーを飲んでみようと思ったのは、それはそれは非常に平凡な経緯で、仕事のない時に、ヒマにまかせてYou Tubeを見まくっていた時に、たまたまヒットしたウイスキー系のユーチューバーの動画に影響された、よくある動機です。

最初は、近所のコンビニでバーボンを買って、ちびりちびり飲んでみました。もうその時は、ユーチューバーからかなりの洗脳を受けていますから、舌より脳が「これはなかなかイケるじゃん。」と認識しました。やっぱり先入観って大事ですね。

でもまだその頃は、スコッチウイスキーは敷居が高いものと思っておりました。

次にいわゆる「ジョニ黒」(ジョニー・ウォーカー・ブラックラベル)と言うのを買ってみました。ブレンデット・スコッチウイスキーと言うヤツです。これは結構気に入りました。「スモーキー」と言う味わいも、初めて体験しました。

でも、シングルモルトとやらは、まだまだ敷居が高いものと思っておりました。

だって、ウイスキーの比較動画やブログなどを見ても、皆さんすっごい脅してきますもん。初心者お断りとかね。ビビって尻込みしちゃいますよ。

ある日近所のよく行くスーパーで、今まで覗いたこともなかった酒のコーナーを見ると、上の写真にあった「タリスカー10年」の小瓶が、1,500円位で売られていました。前に買ったジョニ黒の倍のお値段です。私は朧げながら、件のユーチューバーがどこかの動画でタリスカーを紹介していたのを思い出し、反射的に手に取り、レジに持っていってしまいました。初めて買ったシングルモルト・スコッチウイスキーです。

おっかなびっくり手に取ってみる。

私は音楽家なので、耳で聞いてみる。これでウイスキーの素性が分かるってもんです(大嘘)。

早速、ストレートで、そしてちょっと水を加えて(トワイスアップと言うそうです)、そして次に炭酸水で割って(ハイボールと言うそうで・・・そんな説明いらんね)、飲んでみました。

これはっ!!

すごいものだ!!

手にした時の香り、舌触り、舌先、舌の奥で徐々に変化する味わい、喉を通過する時の温度感、そして余韻。非常に複雑で多層的です。

私は以前こんな感じをどこかで味わった。

どこか?

そう、良質なフランス菓子を食べた時だ!

良質なフランス菓子を食べた時も、香り、最初の舌触り、食べ進むうちに、変化してゆく味わい、ただ甘いだけではなく、酸味や苦味を伴いつつ、飲み込んだ後に爽やかな余韻が口の中に広がる・・・。そんな複雑で多層的な味わいを経験します。

まさに、アレだ!

もちろん、フランス菓子だけでなく、ウマイと思った料理でもこんな経験をする事がありますが、酒でこれを体験するとは思ってもみませんでした。

ひょっとしたら、ビールにも、ワインにも、そんな味わいがあったのかもしれませんし、私はうっかりそれを素通りしてしまったのかもしれません。

でも、しばらくはウイスキー、それもシングルモルトスコッチにハマってみようと思いました。

私も46歳を越えて、ようやく大人の仲間入りです。

2020.7.17 次の記事をアップしました。

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