セレモニーピアニストの日々

片山健太郎

ウイスキー 食と嗜好品

夏にスカッと!バーボンを飲み比べてみた

投稿日:2021年8月18日

実を言うと、私、バーボンを含んだアメリカンウイスキー、あんまり飲んでいません。

過去に飲んだことのあるアメリカンウイスキーは、ジムビーム(ホワイトラベル)、メーカーズマーク、ジャックダニエル(ブラック)、ワイルドターキー(8年)の4種だけ、そのうち、ああうまいなあと感じたのはワイルドターキー1種のみ、メーカーズマークとジャックダニエルはどうにも苦手意識を感じ、ジムビームは味の印象を覚えていない。

嗜好品なんだから、好きなものだけ飲んでれば良いんでしょうが、なんとなく自分の中に潜む"食わず嫌い感"がイヤで、この際プレミアムバーボンと呼ばれるものを中心に、一気に7銘柄を試してみることにしました。

いつものように、ひとくちウイスキー様から小瓶を取り寄せ、インスタグラムにアップしたものを載せて参ります。

オールドグランダッド114


I.W.ハーパー12年


エライジャ・クレイグ


ノブクリーク


ウッドフォードリザーブ


ブラントン


ブッカーズ


こうして7銘柄飲んだ感想ですが、誤解を恐れずに申し上げれば、

「(値段の)高っけえウイスキーはやはり旨い」

という事でした。ここのところはスコッチウイスキーでも一緒ですね。もちろん、安いウイスキーが一概に不味いと言う訳ではありません。でも、香りや味わいの複雑さや余韻の深さと言うのは、価格帯が上がれば上がるほどはっきりと感じられます。考えてみればこれは至極まっとうな話です。高いウイスキーは旨くなければいけないし、安いウイスキーが高いウイスキーより旨くあってはいけないのです。それがバーボンであっても何ら変わりはしない、という事を再確認しただけです。

ブッカーズの絢爛な味わいは、他のバーボンウイスキーとは一線を画します。ブラントンやノブクリーク、ウッドフォードリザーブなどの高価格帯のウイスキーには、じっくり味わい浸れる時間をもたらしてくれるでしょう。じゃあ比較的安価なオールドグランダッドやエライジャ・クレイグはどうかと言うと、高っけえ方と比較すればストレートで味わいに単調さがあるのは否めません。でも単体で楽しむならストレートも全然いけますし、オン・ザ・ロックだったりソーダ割り(ハイボール)で気軽に楽しめる良さなら、却ってこちらに軍配が上がります。まあオールドグランダッドやエライジャ・クレイグもバーボン全体からすれば、十分に高っけえウイスキーなんですが。

あとは好みの問題です。私自身が今回7銘柄を堪能し、この中からボトルで一本何を買おうかと迷った末、結局こちらを買いました。

アードベッグ・ウーガダール

え、バーボンじゃないやん。

そうなんです。残念ながら、私はバーボンを買いませんでした。バーボンウイスキーに共通しているのは、そのはっきりとした木の香り、力強く華やかで強烈な甘さとスパイシーさを合わせ持った味わいでした。一方で繊細な香り立ちと味わいを感じにくく、フルボトルを買って身近に付き合うのはキツいなあと言う印象でした。7銘柄の中では、I.W.ハーパー12年に最もスコッチウイスキーに似た繊細な香りと味わいを感じましたが、それでも「買いたい」とまでには至りませんでした。

バーボンとスコッチの違いに思いを馳せると、ちょうどこれはアメリカとイギリスのオーディオ、とりわけスピーカーの音の違いに似た部分があるなあと感じました。アメリカのスピーカーと言えば、JBL、ボーズ、昔ならアルテックと言った所でしょうか。はっきりと力強く、ドライでシャープで粒立ちの良い音というイメージがあります。方やイギリスのスピーカーと言えば、タンノイ、B&Wなど、どちらかと言えばウェットで中高域に繊細さと広がりを感じさせる音作りと言うイメージです(あくまでも乱暴にカテゴライズすれば、と言う話です)。気候風土と国民性の違いで、産み出す商品にも、その違いがはっきりと現れる、考えなくても当たり前の話なんですが、改めてその事を感じさせる試飲になりました。

これで、私にとってバーボンの"食わず嫌い"から無事脱却することができました。でも今後バーボンは買わない、なんて事はありません。実際私は、ワイルドターキー8年のミニボトルをリピ買いした事がありますし、メロウで力強い味わいを欲する時だってありますから。

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