同じ内容の記事を2021年版として2021年の年末に挙げていましたが、その記事の2022年版となります。
2021年の記事
2021年に飲んだウイスキーで印象的だったもの3選
2021年に飲んだコスパの良いウイスキー3選
前回は「全価格帯」と「コスパ」の2つに分けて記事化しておりましたが、今回はまとめて3つをピックアップしようと思います。
<1> バスカーアイリッシュウイスキー(ブレンデッド)
BUSKER IRISH WHISKEY
実売価格帯は2,000円台。いわゆる「コスパ」部門になりますが、全体的に華やかなフルーツ感が非常に強く、2,000円台とは思えない旨さがあります。ハイボールでも味わいが崩れないのもポイントが高い。製造元のアイルランド、ロイヤルオーク蒸溜所の開設は2016年、2022年日本に初上陸。発売当初はかなり品薄でしたが、最近はちょくちょく見かけるようになってきました。私はまだブレンデッドのバスカーしか飲んだことがありません。シングルモルトやグレーンもいずれ試してみたいです。アルコール40度
<2> ポートシャーロット10年
PORT CHARLOTTE 10YEARS
実売価格は6,000-7,000円台。ここ最近のウイスキー値上げラッシュの中では、比較的価格の上昇が緩やかだった印象です。もともとが他のアイラの12年ものに比べて価格設定が強気だったので、むしろこなれてきた感じもあります。アイラモルトらしいしっかりしたピートの中に、レモンや柑橘系のさわやかな香り、はちみつのようなねっとりとした甘み。やっぱり私はアードベッグやラフロイグのような「体育会系アイラ」より、こういう感じの方が好きなんだな。好みなんで仕方ないです。アルコール50度
<3> オクトモア06.1スコティッシュバーレイ
OCTOMORE 06.1 SCOTTISH BARLEY
終売品。先日名古屋のバーRubin's-vaseにて15mlだけいただいたボトル。ブルックラディ蒸溜所のボトルが2つ続いたのは単なる偶然です。2022年に飲んだウイスキーの中でぶっちぎりのNo.1。飲み始めのスモーキー感は、確かにフェノール値167ppmを誇るだけありますが、それよりも飲み進めるにつれて押し寄せる圧倒的な甘さ。その甘さの密度が高いのなんの。入口のスモーキー感とのギャップで、完全にノックアウトさせられました。熟成年数は5年だそうで、それでこの蜜のような甘さ。中身どうなってるんだ?アルコール57度
番外 ハイランドパーク12年(旧ラベル)
HIGHLANDPARK 12YEARS
最後に番外編。こちらも終売品ですが、通販などではまだぼちぼち見かけます。私は350mlボトルを3,000円弱くらいのお値段で購入しました。こちらは以前記事にしましたので多くは書きません。過去の記事をご参照ください。
古酒ウヰスキー礼賛 (1) ちょい古ボトル(オールドじゃないやつ)のウイスキーを試してみた
2023年もまた素敵なウイスキーとの出会いを期待したいと思います。
2023年のウイスキー展望
ウイスキーの今後を私が勝手に予想してみます。
ウイスキーバブルと言われて久しい昨今ですが、私は2023年の半ばから終わりにかけて、価格の高騰も含め、その流れはいったん落ち着くであろうと思います。長期熟成モノは、まだまだ10年くらいは品薄状態が続くでしょうが、主に中国での需要の減速が顕著になり、中~低価格帯のウイスキーは供給過多に陥ります。
ジャパニーズも例にもれず、需要の減速点に差し掛かるでしょう。今年はサントリー山崎蒸留所が創業100周年ですから、山崎銘柄界隈は相当盛り上がるし、山崎NAや12年は、ここ数年かなり出荷を絞っていた分、今年は大量放出が見込まれますね。一方で、ニッカの方は厳しいかも。余市10年も限定発売され、余市NAと宮城峡NAは店頭で見かける機会も増えましたが、2019年のディープブレンドナイトクルーズ以降、中~低価格帯のウイスキーで目立ったヒット商品がないのが痛い。私はニッカファンなので、この状況はちょっと切ない・・・。
乱立するジャパニーズのクラフト蒸溜所は、間違いなく戦国時代に突入すると思います。今まではどの蒸溜所も、シングルモルトを出せばプレ値で右から左へ売れていましたが、今後ブランドイメージを確立できない蒸溜所は、確実に収益を落としていくと思います。ウイスキーの熟成には10年15年と時間がかかるのに、15年後には収益悪化で蒸溜所閉鎖なんてことも有りうる。まあ私にとっては、来年再来年くらいには、熟成の進んだジャパニーズクラフトウイスキーをようやく適正価格で買えるのではないか、と少々期待しているのですが。
一部の品薄ウイスキーの争奪戦にかまけて「ウイスキーバブルはまだまだ続くんだぜぃ!」と思っていたら、いつの間にかウイスキー全体で売れ行きが落ちていた・・・。2023年はそんな年になる予感がしております。
まあ、私の予想なんでね。多分当たらないと思いますよ。来年の今頃に、この記事を読んでくださり、予想を大外しした私を鼻で笑ってくださいな。
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